日本調理科学会大会研究発表要旨集
2022年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: P-58
会議情報

ポスター発表
種々の野菜の油吸収に及ぼす新規揚げ物調理器と従来の揚げ物の効果の比較
*深澤 美優郡山 貴子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【目的】近年、健康志向の高まりから揚げ物の品質を向上させるための様々な新規揚げ物調理器が開発されている。本研究では電界揚げ物調理器(Dr.Fry、株式会社エバートロン(以下DF))を用いて食品にどのような効果があるか比較した。

【方法】試料はなす、じゃがいも、さつまいも、まいたけとし、形と重さを揃えてカットし、それぞれ衣ありと衣なしとした。衣には市販のてんぷら粉を使用した。DFを設置した電気フライヤー(TCFL-8T、tanico)と通常の電気フライヤー、それぞれにサラダ油3900gを入れ、いずれの試料も170±3℃にて2分間揚げた。測定項目は、試料内部温度、色調、油切れ量、物性(かたさ)、栄養素量とした。

【結果】DFを使用した揚げ物では未使用に比べ以下の傾向がみられた。ここではなすの結果を示す。1. 試料中心部の温度上昇は緩やかであった。2. 色調には明瞭な差はみられなかった。3. 油切れ量は衣なしの場合で0.01~0.09g多く油切れがあった。4. 物性は衣の有無によらず応力が大きかった。5. 栄養素量については、脂質含有量は衣なしで3.8g減少し、衣ありで1.3g減少した。たんぱく質含有量は衣なしで1.8g増加した。また、水分含有量は衣の有無によらずいずれの場合も多く保持されていた。栄養素量から算出したエネルギー値は、衣なしでは8.8%エネルギー量が小さかった。これらのことから、DFを用いた揚げ物はDFなしに比べて水分を保持され、エネルギー量が抑えられる傾向がみられることがわかった。

著者関連情報
© 2022 日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top