日本調理科学会大会研究発表要旨集
2022年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: P-71
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ポスター発表
シュクロースが錦玉の物理特性に及ぼす影響
*石川 茉優村上 陽子
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抄録

【目的】和菓子は,水分含量により,生菓子,半生菓子,干菓子に大別される。「錦玉」は,寒天と砂糖を煮溶かして,型に入れて固めた生菓子である。生菓子である「錦玉」を乾燥させたものは「琥珀糖」と呼ばれ,半透明の半生菓子となる。一方,錦玉や琥珀糖に関する先行研究をみると,錦玉や琥珀糖の形状や水分量,物理特性に関する報告はほとんどないのが現状である。加えて,材料となる糖類の種類と配合が錦玉の物理特性や色彩構成に及ぼす影響に関してはほとんど検討されていない。そこで本研究では,シュクロースが錦玉の物理特性および色彩構成に及ぼす影響について検討することとした。

【方法】錦玉の調製方法について,材料や配合割合に関して文献調査を行った。文献調査の結果より,錦玉の材料を粉寒天,シュクロース,蒸留水とした。粉寒天に蒸留水を加え,加熱・溶解後,シュクロースを加えて溶解させた。ザルでこした後,流し缶に流し入れ,凝固させた後,錦玉を切り分け,食品乾燥機により乾燥させた。乾燥温度は35℃,乾燥期間は1週間とした。調製した錦玉について,重量変化を経時的に検討した。色彩色差計を用いて,色彩構成(L*a*b*値)を,卓上物性測定器を用いて,硬さ,凝集性,付着性を測定した。

【結果・考察】シュクロースが錦玉の物理特性の経時的変化に及ぼす影響について検討した。時間の経過とともに,水分含量は有意に減少した。また,錦玉の表面は結晶化し,透明な状態から白濁した状態へ変化した。錦玉表面のL*値を測定したところ,時間の経過とともに有意に増加した。硬さは乾燥2日目まで有意に増加した後,3日目は低下した。

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