主催: (一社)日本調理科学会
会議名: 2022年度大会(一社)日本調理科学会
開催地: 兵庫県立大学
開催日: 2022/09/02 - 2022/09/03
【目的】近年,家畜食料に対する需要は世界的に増加する傾向にあり,飼育のための穀物をまかなう一方で,穀物が十分に行き届かない地域が数多く存在している。家畜のタンパク質変換効率は牛肉で10%程度であるが,乳では25~35%である。そのため乳の付加価値を上げ,乳利用を促進することはSDGsに大いに貢献することになる。一般に羊の乳は,他の畜種に比べ固形分,ビタミン類,灰分,脂質が多いことから,チーズに加工すると栄養価が高く,濃厚でクリーミーになるという特徴を有している。肉用畜種であるサフォークの乳はさらに固形分や栄養成分の含量が多いことが知られている。ヨーロッパでは羊の乳によるチーズは多く流通しているが,肉用種であるサフォークの乳を使用したチーズは世界中のどこにも流通していない。サフォークの乳を利用できれば肉の生産と平行して製造できるため,畜産農家に受け入れられやすい試みとなる。そこでサフォークの乳によるチーズが消費者に受け入れられるか,牛乳のチーズと比較し官能評価を実施した。
【方法】評価は評点法を用い,外観・香り・食感・コク・酸味・総合評価について,7段階評価とし,パネルは女子栄養大学短期大学部の教職員34名及び学生37名計71名が参加した。試料は羊乳カイエドブルビ,羊乳フロマージュブラン,牛乳フロマージュブランの3種類とし,1試料15~17gを白い器に入れ,ランダムな順序で評価させた。
【結果・考察】総合評価の平均値では羊乳カイエドブルビ4.06,羊乳フロマージュブラン4.15,牛乳フロマージュブラン3.97で「ふつう」と評価され,各チーズ間に有意差は見られなかった。羊乳のチーズは,食べなれた牛乳のチーズ同様に受け入れられる可能性が示唆された。