日本調理科学会大会研究発表要旨集
2022年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: P-101
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ポスター発表
コーヒー豆の焙煎度合いによるポリフェノール含有量への影響
*折口 いづみ荒木 裕子
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抄録

【目的】近年、質の良いコーヒー豆が輸入されはじめ、豆本来の特徴を活かす浅煎りコーヒーを提供する店が増えている。コーヒー中に含まれるクロロゲン酸には抗酸化作用があることが知られているが、焙煎度合いに応じて値が減少する報告もあることから、本研究ではポリフェノール含有量の高い浅煎りコーヒーの開発を目的とした。

【方法】試料としてコーヒーの生豆を2種(ケニア、エチオピア)使用し、浅煎り、中煎り、深煎りと3段階に焙煎した。焙煎の基準は色差計で測定したL値により判断した。焙煎豆はミキサーSKR-T250を用いて20秒間粉砕した。粉砕したコーヒー粉末10 gに対して90℃の熱水200 gを注ぎ、エアロプレスで抽出した浸出液を試料とした。浸出液のポリフェノール含有量はフォーリン・デニス法を用いて測定した。また、産地の異なるコーヒーの生豆を3種(ラオス、イエメン、ブラジル)用いて浅煎り焙煎を行い、同様にポリフェノール含有量を測定した。これらの浅煎りコーヒーを用いたレシピ考案を行い、品種による違いを確認した。

【結果・考察】コーヒー粉末浸出液100mL当たりのポリフェノール含有量を測定した結果、浅・中煎りの方が深煎りのものより多い傾向を確認できたが、中煎りの値が最も高く、品種による差も見られた。産地の異なるコーヒー豆を浅煎り焙煎し、同様に測定したところ、産地による差はあまり見られなかった。浅煎りコーヒーにはコーヒー特有の渋味や苦味が少なく、非常に飲みやすいという特徴に着目し、フルーツコーヒーのレシピを考案した。コーヒーと相性の良い果物を使用して煮出すことで、嗜好性の高いフルーツコーヒーを作製できた。さらに生豆の種類によって酸味や甘味、風味の出方が変わることも判明した。

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