日本調理科学会大会研究発表要旨集
2022年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: P-k23
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特別企画 次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理 ポスター発表
三重県の家庭料理 地域の特徴
*磯部 由香阿部 稚里飯田 津喜美乾 陽子奥野 元子久保 さつき小長谷 紀子駒田 聡子鷲見 裕子成田 美代萩原 範子平島 円水谷 令子
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抄録

【目的】「次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理」の聞き書き調査をもとに、三重県の家庭料理の特徴を明らかにすることを目的に分析を行った。

【方法】平成24~26年度に県内の5地区17ヶ所で昭和2年~昭和23年生の女性24人を対象に、昭和30~40年代から作られていた家庭料理について聞き書き調査を行った。この調査結果および関連書籍を参考に三重県の食文化の特徴について分析を行った。

【結果・考察】三重県は、河川や海に面している地域が多いことから、旬の魚介類を用いた家庭料理が多く作られてきた。主食としては「ぼら雑炊」「たこ飯」など、主菜としては「刺し身」「じふ(魚のすき焼き)」「さめのたれ」など、汁物としては「しじみ汁」「あおさのみそ汁」など、副菜としては「あらめ巻き」「坂本なます」「一匹なりの塩辛」などがあげられる。また、ハレの日に食する行事食として「箱ずし」「押しずし」「巻きずし」「ちらしずし」「魚の姿ずし」「その他の魚ずし(てこねずし、おんこずしなど)」「なれずし」など多種類のすしが作られている。魚と飯を発酵させて作る「なれずし」については、あゆ、このしろ、さんま、さばなどを使った様々な種類が現存している。三重県は地理的特徴や気候・風土によって大きく5つの食文化圏(北勢・中南勢・伊勢志摩・伊賀・東紀州)に分けられることから、それぞれの地域で特徴的な家庭料理が食されてきた。

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