日本調理科学会大会研究発表要旨集
2022年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: P-k25
会議情報

特別企画 次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理 ポスター発表
兵庫県の家庭料理 地域の特徴
ー学校給食で伝え継がれる産物と食ー
*作田 はるみ片寄 眞木子坂本 薫田中 紀子富永 しのぶ中谷 梢原 知子本多 佐知子
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キーワード: 学校給食, 家庭料理, 兵庫県
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抄録

【目的】平成24~25年度に全国規模で行われた「次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理」聞き書き調査では,兵庫県においても多くの家庭料理があり,県内各地域の個性豊かな食文化の特徴が示された。本研究では,地域の産物を使用した家庭料理が学校給食の献立に取り入れられ伝承されているか、その現状を把握することにより地域の特徴を示す。

【方法】調査地域は,神戸市,明石市,加古川市,小野市,姫路市,宍粟市(千種町),美方郡(香美町),丹波市,淡路市の9地域である。聞き書き調査で得られた家庭料理を中心に、地域の産物を使用した料理が各地域の学校給食の献立に取り入れられているかを調べた。献立は自治体のウェブサイトに掲載されている献立表を確認した。

【結果】2021年度の学校給食の献立に取り入れられていた家庭料理は,神戸市の「すき焼き」,明石市の「いかなごくぎ煮」,「たこのからあげ」,加古川市の「かつめし」, 「はりはり汁」,小野市の「かしわ」の料理,「ちらしずし」,「高野豆腐の含め煮」,姫路市の「姫路おでん」,「ばち汁」,「くきわかめ佃煮」,千種町の「たけのこご飯」,香美町の「ゆでかに」,「ドギ」や「ニギス」の料理,丹波市の「栗ごはん」,「黒豆料理」,淡路市の「ちょぼ汁」,「たこ飯」,「鯛そうめん」などがあった。「姫路おでん」や「かつめし」などは,複数の地域で給食献立に取り入れられ,兵庫県の味として紹介されていた。学校給食実施基準には,給食には地場産物を積極的に使用することや食文化の継承につながるよう,郷土に伝わる料理を取り入れることが示されている。各地域の給食には地場産物が用いられた家庭料理が定期的に取り入れられ,郷土料理として給食だよりなどで紹介されていた。

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