日本調理科学会大会研究発表要旨集
セッションID: 2P-11
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ポスター発表
そば粉を使用した調理法の開発
—そば粉を使用した成形パンの製法開発—
*山田 夏代大橋 かすみ高木 明奈
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抄録

【目的】そば粉は炭水化物を豊富に含むことから,製パンに用いることで,小麦に匹敵する食品として活用することが期待できるが,グルテンを含まないため製パンにはいくつかの課題があり,中でも成形が困難であることが汎用性を低下させる一因と考えられる。 本研究では添加物(サイリウム)を加えるこことで,成形を目指すとともに,添加物(サイリウム)の添加濃度の違いが生地および,製品に及ぼす影響について調査,検討した。 また,原材料が簡素であることからパンの種類はベーグルを選定した。

【方法】そば粉,サイリウム(そば粉比3%),砂糖,塩を混合したものに,植物油脂,予備発酵済のドライイースト,ぬるま湯(30℃)を加え,混捏,成形,発酵,湯煮し,焙焼,放冷し常温にしたものを対照とした。次にサイリウム添加量をそば粉比2%,4%で調製した生地についても同様に焙焼,放冷し試料とした。品質評価として外観(膨化)観察,物性測定,写真撮影,試食を行った。また,成形のしやすさについても併せて評価した。

【結果】全ての検体において成形することができたが,成形の容易さにおいては,サイリウムの添加濃度が上がるほど向上した。 外観(膨化)についてもサイリウムの添加濃度が上がるほど安定した膨化が得られ,好ましい形状が保たれる結果で,対照と4%添加試料の外観が良好であった。 試食の結果からは対照と4%が好まれる結果となった。 以上の結果からそば粉ベーグルに対するサイリウム添加において,最適な条件は3%濃度以上であることが示唆された。 今後は他種のそば粉製パンへの添加を課題とし,検討したい。

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