日本調理科学会大会研究発表要旨集
セッションID: 1P-10
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ポスター発表
黄えんどう麺の調理・食味特性の評価
*菊田 千景髙谷 美衣奈川端 康之米田 武志
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抄録

【目的】新たなグルテンフリー麺として注目されている黄えんどうのみで作られた麺(以下,黄えんどう麺)の調理特性と食味特性を調べ,品質を評価した。

【方法】試料は,黄えんどう麺(ZENB NOODLE,株式会社ZENB JAPAN)と,比較対照として小麦粉麺(マ・マー レギュラースパゲティ,株式会社 日清製粉Welna)を用いた。それぞれの麺を商品パッケージの記載通りに茹で,茹であげ後の経時変化について,物性測定(最大荷重)と状態観察(プレパラートで押しつぶした麺の観察)を行った。さらに,茹で後すぐと20分後について官能評価(パネルは21~22歳女子大学生29名)を行った。

【結果】黄えんどう麺は,物性測定において小麦粉麺に比べ最大荷重が大きく経時変化が少なかったことから,硬くて伸びにくい性質があることが分かった。状態観察では,黄えんどう麺は麺の水分の含有量が少なく麺の表面が凹凸していることが観察された。官能評価において,茹で後すぐと20分後のどちらも,硬い,ざらざらしていると評価された。この結果は,最大荷重や状態観察の結果を支持するものであった。また,パネリスト全体の評価としては小麦粉麺より好まれなかったが,硬い麺が好きな人はやわらかい麺が好きな人より黄えんどう麺を好む傾向がみられた。今後,黄えんどう麺の特徴的な硬さや伸びにくさの要因を明らかにするとともに,これらの特性を活かした調理方法の検討を行う必要があると考えられる。

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