日本調理科学会大会研究発表要旨集
2025年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1E-2
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食感に対する食品サイズの影響
ー歯型器具圧縮による6D計測 ー
*杉原 諒武政 誠
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抄録

【目的】おいしさの6割以上は食感に由来する。食感評価には官能評価が主流であるが、機器分析による客観的評価手法開発が望まれている。代替が困難と言われるが、原因の一部は、口腔内と分析装置での評価条件が異なる点にある、と考えられる。ヒトでは咀嚼時に、歯を通し多様な力学応答を取得し、食感として知覚するが、1軸食品圧縮試験では、垂直圧縮荷重を解析する。官能評価との乖離を埋めるべく、歯形器具で圧縮し6次元の力学応答を取得し、深層学習を適用することで前述の課題解決が期待される。本発表では、特に食品サイズが食感に与える影響に関して1軸圧縮試験では得られない効果を検証する。

【方法】歯型器具で食品を圧縮し、力学応答を3軸の力、また各軸周りのモーメント、の計6次元情報を記録する圧縮試験装置を開発した。食品試料として、グミと煎餅を使用した。オートサンプラーも開発し、5000回を超える自動圧縮試験を実施し、深層学習での分析も行なった。

【結果・考察】グミの圧縮試験結果では、水平方向や回転方向に生じる力やモーメントが煎餅と比較して大きかった。グミは厚みが煎餅比で3倍程度のため、力学物性やサイズが同一であれば垂直圧縮荷重は同一ひずみで比較すると1/3となると期待される。大変形領域では荷重は約3倍となった。歯形形状により非等方性の圧縮, 結果として破断前に捻れ方向の変形を生じたことが、モーメント増大を引き起こした、と考えられる。このように厚みがあり、かつ破断ひずみが大きい食品では、従来の一軸圧縮試験結果と比較して、歯形形状で6次元計測を行うと食感に関して計測情報量が増大する、と考えられる。ヒトの知覚情報との乖離に関しても当日議論する。

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