図書館学会年報
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論文
児童の活動と図書館利用
鈴木 志元
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1992 年 38 巻 2 号 p. 51-68

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抄録

 図書館が小学生の日常活動においてどの様な位置をしめ,どういった要因が図書館利用に影響を与えているのだろうか。これらの問題を明らかにするため,小学生の日常活動の中で大きな重みを持つと思われるもの32項目を選び出して質問紙を作成した。調査の対象となったのは 2つの小学校の 4年生以上の全員である。用いた統計分析手法は主として因子分析である。これによって図書館利用がどのように位置づけられるのかを明らかにすることができる。
 全体的にみれば,彼らの日常活動は『読書』に関係する因子と『娯楽』に関係する因子とからなっている。この小学生像はごく常識的なものであるかもしれない。『読書』因子を更に詳しく見ていくと,科学や社会に関する読書(これを本稿ではノンフィクションという)と図書館利用との関係が図書館利用の層によって異なっていることがわかった。

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© 1992 日本図書館情報学会
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