抄録
書誌的関係の分類法の根拠について考察した。書誌的関係の情報は検索に際して書誌的実体を連想結合するのに必要である。この小論では,ある著作とその関連する書誌的実体との間の書誌的関係の分類方法に関して論理的な根拠を示すことを意図している。
ほとんどの書誌的関係は通例その文献自身に見られるものであるから,まず,保存と利用の書誌的機能の見知から,メッセージ・キャリアとしての文献の書誌的構造を吟味する。
次に,文献の書誌的特性を構造要素の型の分析視点から 4つの書誌的構造次元を規定する。
最後に,書誌的関係を分類するための準拠枠としてこの書誌的次元を提示し,その下位の構造の共通原理としての同値関係について述べる。