図書館学会年報
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論文
図書館研究の二つの理論的基盤-J.H.シェラ晩年の「離反」をめぐって
根本 彰
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1994 年 40 巻 4 号 p. 145-159

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抄録

 J. H. シェラ(1903-1982)は亡くなる直前に図書館学の方法的基盤に関する一編の論文を書き残した。これは彼自身が主唱者の一人である,情報学に図書館学の理論的基盤としての期待を寄せ図書館学との融合を願う考え方を全面的に否定し,人文学と社会科学による基盤を求めるものであった。
 本論文では,彼自身が貢献すること大であった,図書館学研究方法論の主流的考え方に対して「離反」という行動をとるようになった背景を,(1)彼の情報学のとらえ方,(2)図書館学教育に関する考え方,(3)彼自身の人文社会科学的な研究歴,(4)1970年代に学問全体をおそった科学批判の動きなどに探り,このような行動が十分に理由のあるものであったことを示した。最後に彼以降の図書館研究の動向を検討した。

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© 1994 日本図書館情報学会
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