目録規則分析システムの試作

一個別規定間の関係分析機能の拡張─

抄録

　目録規則に含まれる暖昧さ・複雑さの検出，あるいは規則理解の支援を意図して，既存の目録規則を分析するシステムの試作を行っている。システムは既定の入力形に変換されたルール(目録規則を構成する個々の規定)を読み込み，その内部構造を分析し，加えて，他のルールとの関係を分析する機能を備えてある。本稿では，特にこのルール間の関係分析機能に焦点を当て，その基本機能および新規の拡張機能であるルール集合の無矛盾性および完全性の検証機能について，その処理内容を例を交えて報告した。無矛盾性の検証機能とは，ルール間の冗長・包摂・衝突等の諸関係の検出処理を指し，他方，完全性の検証機能は欠落ルールの検出処理を意味する。併せて，採用したアプローチの有効性，および問題点・課題等の検討を行った。