1996 年 42 巻 3 号 p. 148-154
学校図書館において科学の本に対する有効な読書指導が活発に行われていない状況の中,児童を科学の本へ導く動機づけとしての読書指導の開発が望まれる。そこで,本稿においては,小学校図書館における読書指導,図書館活動の一方法として科学あそびの導入の可能性と意義について考察を行った。その結果,科学あそびは,1)児童にとって心理学的にみても適切であり,2)学習指導要領に示された教科の目標や,学校図書館の活用を計る観点から学校図書館において実施することが可能であり,3)児童の科学に対する興味を喚起することができ,4)科学の本に対する読書興味を高め,読書を促進することができ,5)読書の動機づけとして学校図書館で導入するときは,小学校 3年生から 5年生までを対象の中心にするのが効果的であることが明らかになった。