情報法制研究
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論文
パンデミックとプライバシー・個人情報の保護(前編:個人情報保護編)
――感染症対策における公衆衛生の向上を根拠とする情報の利用と保護をめぐる課題――
新保 史生
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 8 巻 p. 41-62

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抄録

新型コロナウイルス感染症への対応を、今後も発生する可能性がある国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある感染症によるパンデミック対策に活かすため、感染症対策の実効性確保のために必要な個人情報の取扱い及びプライバシー保護の観点からの検討を行う。  「パンデミック」とは何かをCDCとWHOの区分により理解した上で、それに対処するための法制度を自然発生による感染症だけでなく生物兵器としての攻撃手段やバイオテロによるバイオハザード対策も念頭に確認する。  感染症法に基づく感染症関連情報の収集及び公表に係る制度を網羅的に把握した上で、感染者等の情報把握及び管理に関する現行の制度・仕組みの構造と課題を明らかにする。  感染症対策において取得する個人情報について、その取扱い手続、適用法令の問題、要配慮個人情報の位置づけ、物故者に関する情報の取扱い、個人データ・保有個人情報の利用及び提供に関する手続について精査した上で、公衆衛生の向上を根拠とする適用除外規定の解釈の限界と判断根拠策定の必要性を提唱する。

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© 2020 情報法制学会
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