2024 年 3 巻 1 号 p. 254-255
2023年10月に開催された日本混合研究法学会年次大会の「MMRオープンフォーラム」では、抱井尚子氏(青山学院大学)、八田太一氏(静岡社会健康医学大学院大学)、稲葉光行氏(立命館大学)の3名が登壇し、刊行されたばかりのCheryl Poth氏(2023)によるThe SAGE Handbook of Mixed Methods Designを素材として、混合研究法(以下、MMR)の未来についてディスカッションされた。この日本を代表する3名のMMR研究者から、書籍の内容だけではなく、刊行に至るプロセスが紹介され、書籍の「多様性を尊重する姿勢」がいかに強調され、具現化されているかを知ることができた。著者は、フォーラムにおいてディスカッサントとして参加する機会をいただいた。3名のお話を聞きながら、「多様性」は、現代社会のこれからを特徴づける重要なキーワードであることは間違いないが、MMRのこれから(未来)にも当てはまることを実感した。本号では、3名の研究者がフォーラムにおいて語られた、ハンドブックの刊行から見えるMMRの(現在と)未来のランドスケープを文章として残していただくこととした。ハンドブックそのものが非常に豊かな学びを提供してくれることは間違いないが、この3名の視点を知ることで、学びの豊かさはさらに大きくなるであろう。