2024 年 3 巻 1 号 p. 256-260
本稿では、2023年度の日本混合研究法学会(JSMMR)年次大会にて行われた「MMRオープンフォーラム」の内容を中心に、混合研究法に関する最新の動向を検討する。特に、Cheryl PothによるThe SAGE Handbook of Mixed Methods Design(2023)の紹介と分析を通じ、混合研究法の新たな展開とそのコミュニティへの貢献を探る。本ハンドブックは、混合研究法デザインのジレンマと機会をグローバルな視点から捉え、イノベーションを促すことを目的としている。Pothのアプローチは、混合研究法に対する革新的かつ包摂的な態度を反映し、新しい創発的プロセスとしての混合研究法デザインの可能性を提案している。このハンドブックが、方法論の拡張、国際的な包摂性の強化、混合研究法の脱構築への挑戦など、混合研究法コミュニティへの重要な貢献を果たしていることを明らかにする。