2024 年 3 巻 2 号 p. 326-330
混合研究法は新たな研究方法として発展途上にあり、研究者が利用しやすくなる方法についての議論を深めるためには、研究実践の事例を基に検討することは重要であると考える。本稿は、筆者自身の看護分野における研究について、混合研究法を選択した理由や研究デザインの概要などを紹介するとともに、研究実践を通して浮かび上がった混合研究法を活用する意義と課題をまとめたものである。意義としては【信頼性を高める】【解釈に役立つ】【視座を明確にする】【潜在的な課題を探る】ことが見出され、課題としては【混合研究法への周囲の理解】【研究期間の長期化】【論文の文章量・情報量の制約】が挙げられた。これらは一事例で得られた限られた視点に過ぎないが、今後、量的・質的アプローチの統合で期待できる意義を明確化し、課題への対応策を検討・提示できれば、研究者が混合研究法を積極的に選択することが可能になると考える。