自律神経
Online ISSN : 2434-7035
Print ISSN : 0288-9250
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多系統萎縮症の膀胱自律神経障害 ―下部尿路機能障害で初発する症例を含めて―
榊原 隆次舘野 冬樹相羽 陽介尾形 剛
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2019 年 56 巻 3 号 p. 170-174

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抄録

多系統萎縮症(MSA)の18%は下部尿路機能障害のみで発症しており,男性では前立腺肥大症として手術が施行されている場合がある.これらの患者では,仙髄中間外側核・Onuf核病変が先行した可能性があり,ケアの立場から注意すべきと考えられる.MSAでは定期的な残尿測定が必須であり,残尿の対処として本人・家族による清潔間欠導尿(CIC)が第一に勧められる.MSA患者の下部尿路機能障害に対して,積極的な治療介入が望まれる.

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© 2019 日本自律神経学会
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