自律神経
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Print ISSN : 0288-9250
教育講演1
神経内分泌系についての分子生理学的研究の新展開
上田 陽一
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2019 年 56 巻 4 号 p. 203-206

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抄録

視床下部-下垂体系を主軸とする神経内分泌系は,自律神経系調節を含め生体の恒常性維持に重要な役割を担っている.下垂体後葉系は,神経内分泌系の典型的モデルとして長年にわたり研究されてきた.古くは下垂体抽出物に昇圧物質が存在することに端を発して,20世紀半ばには下垂体後葉ホルモンのバゾプレッシンとオキシトシンの単離・構造決定と生合成が成功した.その後,分子生物学的手法や最先端技術の応用により,多くの知見が見出されてきた.最近,神経回路網を解明するための新たなツールとして光遺伝学・化学遺伝学が汎用されている.下垂体後葉系にこれらの新技術を導入した自験データとともに,最近の研究動向について概説する.

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© 2019 日本自律神経学会
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