消化性潰瘍をはじめとした消化管疾患に比較し,肝疾患および肺疾患における自律神経の関与については不明な点が多い.われわれは, non-Helicobacter pylori Helicobacterをマウスに長期間感染させることにより,最初に胃MALTリンパ腫,その後,肝臓,肺にMALTリンパ腫が形成されることを見出した.そこで,肝臓,肺の自律神経調節,腫瘍と自律神経の関連,さらに胃MALTリンパ腫において重要な働きをしていると考えられるsubstance Pの肝臓,肺MALTリンパ腫における意義ついて述べたい.