2020 年 57 巻 2 号 p. 130-133
神経核内封入体病(NIID: neuronal intranuclear inclusion disease)は全身の核内好酸性封入体形成を特徴とする稀な変性疾患である.成人発症症例は認知機能障害を中核症状とし,不随意運動,小脳性運動失調,末梢神経障害,自律神経障害と症状は多岐にわたる.下部尿路機能障害はNIIDの孤発例では約30%,家族性発生例では約60%とよく合併する症状であり,頻尿,尿失禁,尿閉といった排尿症状のほか,排出障害と多彩である.自験例ではウロダイナミクス・スタディにて初回膀胱知覚低下,排尿筋低活動所見があり,再検時は膀胱知覚低下,排尿筋過活動所見を認めた.NIIDは認知機能障害や運動障害による機能的尿失禁の合併も考えられる.患者の病態をよく把握し,下部尿路機能については,詳細な問診による下部尿路機能障害の型の推察,さらに残尿測定を行い,ケアを行うことが肝要である.