多系統萎縮症(multiple system atrophy: MSA)の自律神経障害は,主に中枢神経系,一部は交感神経節後線維におけるα-シヌクレインの蓄積によって引き起こされる. 代表的な自律神経障害は,排尿障害,起立時の血圧調節障害および睡眠関連の呼吸障害であり,これらは生命予後にも影響している.尿失禁と起立性低血圧がprobable MSAの診断基準に含まれるが,残尿量の評価,能動的起立,起立時間の延長が診断の感度と特異度を改善する可能性がある.睡眠中のMSAの突然死を予測することは難しいため,自然睡眠および薬物誘発睡眠による呼吸機能の定期的な評価が必要である.