自律神経
Online ISSN : 2434-7035
Print ISSN : 0288-9250
第73回日本自律神経学会総会
純粋自律神経不全症型のレビー小体病と免疫介在性自律神経ニューロパチー
小池 春樹
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 58 巻 2 号 p. 199-203

詳細
抄録

レビー小体病はパーキンソニズムか認知症が前景に立つことが多いが,起立性低血圧などの自律神経障害のみを長期間呈することもあり,このような病型は純粋自律神経失調症(pure autonomic failure; PAF)と呼ばれてきた.PAFは緩徐進行性の神経変性疾患であるが,血清中の抗ganglionic acetylcholine receptor (gAChR) 抗体が測定可能になって以来,免疫介在性ニューロパチーにも同様の進行様式と自律神経障害を呈する病型が存在することが明らかになってきた.抗gAChR抗体陽性の自律神経ニューロパチーは自己免疫性自律神経節障害という呼称が用いられるようになり,免疫療法の有効性が示唆されていることからPAFとの鑑別の重要性が高まっている.

著者関連情報
© 2021 日本自律神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top