自律神経
Online ISSN : 2434-7035
Print ISSN : 0288-9250
特別講演
冷え症と自律神経
伊藤 剛
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2022 年 59 巻 1 号 p. 10-15

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抄録

これまで単一の病態と考えられていた冷え症の冷えは,体表の温度分布や体内温度勾配のパターンに基づき,下半身型,四肢末端型,内臓型,全身型の基本4型と,局所型,混合型を合わせ6タイプに分類された.この冷えの基本4型の自律神経バランスを調べると,下半身型は下肢末梢の交感神経緊張と,のぼせのある場合は中枢の副交感神経優位を示し,四肢末端型は末梢の交感神経過緊張と中枢の交感神経優位,内臓型は末梢の交感神経弛緩と中枢の副交感神経優位,全身型は中枢の交感神経優位を認めた.こうした自律神経機能の差が,熱産生,熱移動,熱放散の熱出納バランスなどに影響し,様々な冷え症の病態を生み出していると考えられる.

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© 2022 日本自律神経学会
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