排尿排便の自律神経障害について述べた.神経因性膀胱と鑑別を要するものとして,前立腺肥大症(エコー計測20 ml以上)などの器質性疾患,腹圧性尿失禁,夜間多尿,薬剤性排尿障害,心因性排尿障害などがある.神経因性排便障害と鑑別を要するものとして,大腸癌,潰瘍性大腸炎などの器質性疾患,薬剤性排便障害,心因性排便障害などがある.これらの鑑別のために,問診,検尿・便潜血,時刻-排尿量記録,腹部エコー,内視鏡検査などを必要時行う.その上で,骨盤臓器の自律神経障害に対して,積極的な治療を行うと良いと思われる.