自律神経
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運動とストレス:急性自律生理反応の生成メカニズム
木場 智史奈良井 絵美
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2022 年 59 巻 4 号 p. 354-357

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抄録

運動時には骨格筋での代謝需要量が増加するため,循環系を適切に調節する必要がある.その調節を迅速に担うのが自律神経系であり,交感神経活性と副交感神経抑制により心拍出量・心拍数増加や血圧上昇が起こる.収縮骨格筋より生じる運動昇圧反射と運動発現の意思として高位中枢で生じるセントラルコマンドとが運動時の自律神経系を制御する.心理ストレス時にも自律神経性の生理反応が起こるが,運動時の調節機構とは異なる.本稿では,過去から現在までの先駆的な研究を俯瞰し,運動時や心理ストレス時における自律神経制御機構を考察する.

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© 2022 日本自律神経学会
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