自律神経
Online ISSN : 2434-7035
Print ISSN : 0288-9250
総説
多成分がマルチターゲットに作用することで総合作用を発揮する漢方薬
―経験知で創製された漢方薬を作用機序解明に基づき新たな処方へと導くために―
上園 保仁宮野 加奈子
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2022 年 59 巻 4 号 p. 358-365

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抄録

近年,がん患者のための支持療法の重要性が叫ばれ,漢方薬が支持療法に資する重要な薬剤として位置づけられるようになってきた.また,漢方薬の効果,作用機序が科学的エビデンスをもって語られるようになり,処方の根拠として漢方医学の「証」に加え科学的エビデンスもその根拠となってきた.本稿では,代表的な漢方薬として半夏瀉心湯,六君子湯,大建中湯を取り上げ,基礎,臨床研究から得られた科学的エビデンスを紹介する.併せて今後の漢方薬研究の展望も紹介する.

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© 2022 日本自律神経学会
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