自律神経
Online ISSN : 2434-7035
Print ISSN : 0288-9250
基礎と臨床の対話
末梢・中枢交感神経障害に起因するPDの心血管障害とその治療
梅原 淳
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2023 年 60 巻 1 号 p. 2-5

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抄録

パーキンソン病(PD)の自律神経障害は,PD前駆期から始まり疾患発症を予測する臨床的バイオマーカーとして有用である.またαシヌクレインの伝播には,脳幹上行仮説における迷走神経だけでなく,交感神経路も重要な役割を果たしている可能性がある.PDの起立性低血圧(OH)は,末梢交感神経だけでなく中枢交感神経障害に起因すると推測され,認知機能低下とも密接な関係を持つ.OHの治療には,附随する臥位性高血圧の存在を考慮し,非薬物療法を十分実施することが必要である.一方,薬物治療では昇圧剤の内服だけでなく,交感神経節前線維機能を高める抗コリンエステラーゼ薬の併用が有効と思われる.

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© 2023 日本自律神経学会
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