自律神経
Online ISSN : 2434-7035
Print ISSN : 0288-9250
原著
COVID-19罹患後に発症した体位性頻脈症候群の臨床的特徴
角南 陽子宮腰 夏輝菅谷 慶三高橋 一司
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2024 年 61 巻 3 号 p. 180-185

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抄録

COVID-19罹患後に立ち眩み・動悸などの起立不耐が持続し,社会生活に支障を来たす場合がある.体位性頻脈症候群(postural tachycardia syndrome: POTS)はlong COVIDの一病型として認識されているが,その頻度や病態機序は未だ十分に解明されていない.当院コロナ後遺症外来を受診した患者の12%(8人)をPOTS(COVID-POTS)と診断し,臨床症状を観察した.全例が強い全身倦怠感を訴え,50%(4人)は休職を余儀なくされていたが,症状のピークを過ぎると全ての症例で自然軽快傾向を示した.さらにCOVID-19とは無関係の慢性化したPOTS 24人と,COVID-POTSの臨床症状を比較した.慢性化したPOTSの多くは腹部症状を伴い,腹部症状はPOTSの重症度と相関するが,COVID-POTSは一例も腹部症状を伴わなかった.

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© 2024 日本自律神経学会
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