自律神経
Online ISSN : 2434-7035
Print ISSN : 0288-9250
61 巻, 3 号
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第76回日本自律神経学会総会
  • ―Central Autonomic Networkの障害―
    朝比奈 正人
    2024 年61 巻3 号 p. 170-173
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/09/27
    ジャーナル フリー

    視床下部,辺縁系,脳幹網様体などから構成される中枢自律神経ネットワーク(CAN)の障害は多彩な自律神経症候を呈し,突然死とも関連する.脳卒中患者では突然死の頻度が高く,辺縁系を構成する右島皮質病変との関連が指摘されている.成人てんかん患者では突然死が年間1.2人/千人みられ,強直間代発作後の全般性脳波抑制に伴う無呼吸の関与が推測されている.自己免疫性脳炎では,頻脈,多汗,高血圧などの交感神経過活動がみられるが,手掌の精神性発汗は低下することがあり,扁桃体病変の関与が推察される.神経疾患でのCANの障害は,生命予後,ADL,QoLに影響するとともに,その評価は脳内ネットワークを含めた中枢神経機構の理解に役立つ.

原著
  • 角南 陽子, 宮腰 夏輝, 菅谷 慶三, 高橋 一司
    2024 年61 巻3 号 p. 180-185
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/09/27
    ジャーナル フリー

    COVID-19罹患後に立ち眩み・動悸などの起立不耐が持続し,社会生活に支障を来たす場合がある.体位性頻脈症候群(postural tachycardia syndrome: POTS)はlong COVIDの一病型として認識されているが,その頻度や病態機序は未だ十分に解明されていない.当院コロナ後遺症外来を受診した患者の12%(8人)をPOTS(COVID-POTS)と診断し,臨床症状を観察した.全例が強い全身倦怠感を訴え,50%(4人)は休職を余儀なくされていたが,症状のピークを過ぎると全ての症例で自然軽快傾向を示した.さらにCOVID-19とは無関係の慢性化したPOTS 24人と,COVID-POTSの臨床症状を比較した.慢性化したPOTSの多くは腹部症状を伴い,腹部症状はPOTSの重症度と相関するが,COVID-POTSは一例も腹部症状を伴わなかった.

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