自律神経
Online ISSN : 2434-7035
Print ISSN : 0288-9250
総説
パーキンソン病の膀胱症状にうつは関与するか?
榊原 隆次
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2025 年 62 巻 3 号 p. 95-100

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抄録

パーキンソン病(Parkinson’s disease,PD)は運動障害を呈する疾患であり,PD病理が大脳皮質に広がった形であるレヴィー小体型認知症(dementia with Lewy bodies,DLB)は,高齢者での頻度が比較的高いことが知られる.近年PD/DLBの非運動性徴候,とくに膀胱症状を含めた自律神経障害が注目されている.PD/DLBの膀胱症状は,自律神経の病理変化に加え,最近,不安症/うつを介する機序も知られるようになってきた.本稿では,PD/DLBと膀胱症状について,次に不安症/うつと膀胱症状について述べ,最後に,PDとうつの合併例での膀胱症状について,自験例での結果を含めて述べた.PD/DLBの膀胱症状に対して,その病態も考慮しながら治療にあたることが,患者の生活の質の改善のために重要と思われる.

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© 2025 日本自律神経学会
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