2025 年 62 巻 4 号 p. 144-147
症例はパーキンソン病の68歳女性.発症5年目の65歳時に下肢の無動が増悪したため,塩酸セレギリンを2.5 mg/日から5 mg/日へ増量したところ,日中に顔面紅潮,倦怠感,胸痛を随伴する約2時間持続する高血圧発作を認めるようになった.この発作が頻回に出現するようになったため,24時間血圧測定と発作時に血漿ノルアドレナリン(NA)を測定した.その結果,昼食後に高血圧発作と血漿NA高値を認めた.塩酸セレギリンを中止し,サフィナミドに変更したところ,高血圧発作は消失し,血漿NAは正常化した.低用量の塩酸セレギリンで高血圧を呈することは稀であるが,日常診療で見逃さないように注意を要する.