閉経モデル(卵巣摘出ラット)と若年女性においてエストロゲン(E2)の末梢冷受容分子を介した体温調節作用を検討した.閉経モデルにおいて冷受容分子TRPA1,TRPM8作動薬のシナモアルデヒド,メントールを用いた研究でE2はTRPA1ではなくTRPM8を介し体温調節に影響した.若年女性においてメントールを用いた研究において血中E2濃度が高い排卵前期のみで寒冷刺激時の不快感が増した.閉経モデルにおいて冷受容分子TREK作動薬のオスタルチンを用いた研究で,TREK作動薬は熱放散を抑制し,体温を上昇させ,E2はその作用を強めた.E2は脊髄後根神経節のTrek1 mRNAを上昇させた.In vitro脊髄標本にTREK作動薬を投与すると,感覚神経の反射電位振幅が増大した.これらは末梢の冷受容を増大させる可能性がある.E2はTRPM8,TREK1を介し,女性の寒冷時体温調節に寄与する可能性がある.