The Journal of Antibiotics, Series B
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ザルコマイシン・イソニコチン酸ヒドラジド誘導体 (SI) について
石山 俊次平山 久夫高村 正衛塚原 進
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1957 年 10 巻 5 号 p. 195-203

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抄録

梅沢1) がザルコマイシンの抗腫瘍性について発表してから, その化学性状についても多くの研究がすすめられ, HOOPER2) はいちおう化学構造を決定し, その水加誘導体Dihydrosarkomycin等の活性にも言及した。つづいて原3) は, ザルコマイシンのイソニコチン酸ヒドラジドの酸性誘導体ザルコマイシン-INAH (SI) が濃紅色無定形粉末であるが, 常温で甚だ安定であり, エールリッヒ癌の腹水腫瘍に有効なことを発表した。従来のザルコマイシン (抗菌性物質製剤基準1701) は不安定で, 臨床上のとり扱いに不便であり, 時に血管痛, 悪感, 尭熱, 嘔吐等の副作用を伴なうことがあるので, 不満が少くなかつたが, SIはそれらの点が著るしく改善されたと思う。

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