The Journal of Antibiotics, Series B
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マルフアニル・トリコマイシンの血中濃度ならびに臓器内分布
添田 百枝黒田 収子福島 正夫市の沢 昭光
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1957 年 10 巻 5 号 p. 216-217

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抄録

前報1, 2) において私共は, 可溶性トリコマイシン1) の血中濃度ならびに体内分布について報告した。実験動物はマウスを用い, 経口投与ならびに腹腔内注射による成績についてのべた。 また, トリコマイシンの誘導体で水に不溶のリバノール・トリコマイシン塩2) を用いて腹腔内注射による血中濃度ならびに体内分布を検査して報告した。Marfanyl (Homosulfamine)-trichomycinは, 細谷・中沢・添田・緒方・浜村等4) の実験によつて,Trichomonas vaginalis, Candida albicansの感染防禦および治療実験で良好な結果が得られ, 殊にCandida albicans M10感染2時間後にMarfanyl・trichomycin (以下M・TMと略) 50 mcgを静脈内に注射すれば, 対照無処理群は全部死亡するのにかかわらず, 7匹中7匹治癒し, 観察期間終了後剖検し, 臓器培養をおこないCandidaが培養できなかつたと報告されている。 今回は水に不溶のM・TMをマウスの腹腔内に注射した結果について, その血中濃度ならびに体内分布についてのべる。

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