The Journal of Antibiotics, Series B
Online ISSN : 2186-5469
Print ISSN : 0447-8991
ISSN-L : 0447-8991
リバノール・トリコマイシン塩のマウスにおける血中濃度ならびに体内分布について
添田 百枝黒田 収子福島 正夫市の沢 昭光
著者情報
ジャーナル フリー

1957 年 10 巻 5 号 p. 214-215

詳細
抄録

1955年細谷省吾教授等1) は, 濃厚なトリコマイシン水溶液にリバノール水溶液を加えることによつて, トリコマイシン誘導体として, 水に不溶のrivanol-trichomycin (アクリノール・トリコマイシン) 塩をつくることができた。ついで, 細谷・中沢・添田・緒方・浜村等2) は, リバノール・トリコマイシン塩 (以下, R・TMと略) を用いてTrichomonas vaginalis, Candida albicansの感染防禦および治療実験をおこない, 水に溶けない状態でマウスの静脈内, 腹腔内注射されるにもかかわらず, 感染を防ぐことができ, またCandida albicans M10感染2時間後に治療を開始すれば, 1回注射量50mcg 1~2回投与によつても高率に, または完全に治療することを実験動物の各臓器の培養試験によつて証明している。
私共はR・TMを用いて, すでに前報で報告したように, 実験動物としてマウスを用い, R・TM 200単位を腹腔内に注射し, その血中濃度ならびに体内分布状況について, 可溶性トリコマイシンとの比較をこころみた結果について報告する。なお, ホモスルファミン・トリコマイシンについては項を改めて報告する。

著者関連情報
© 公益財団法人日本感染症医薬品協会
前の記事 次の記事
feedback
Top