The Journal of Antibiotics, Series B
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病原ブドウ球菌に関する研究第1報
感染症における原因菌と常在性病原ブドウ球菌について
舟橋 と志子
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1959 年 12 巻 1 号 p. 1-6

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抄録

抗生物質の普及に伴なつて, その耐性菌の問題は重要な意義をおびて来つつあるが, 殊に病原ブドウ球菌 (ブ菌と略) の耐性株の増加と, それによる感染症の増加については最近特に注目されている1)。
これらの耐性菌は, 特に病院内の患者, 職員に多く見出され, Hospital Staphylococci2) の名の下に保菌者の鼻咽腔に温存され, 院内交叉感染の原因となっていることは, 周知のことである。この病院内保菌者の常在性ブ菌, およびその院内交叉感染については, 多くの研究3~14があるが, ブ菌感染症において, 原因菌と, その感染時における鼻咽腔, 直腸等の常在性ブ菌との関係についての観察, また抗生物質治療によるこれらブ菌の変化についての報告は少ないようである。
私は国立東京第一病院におけるブ菌感染症において, その原因菌と, 常在性ブ菌の抗生物質耐性療の経過, ファージ型を治にともなって観察し, また院内感染について検討したので報告する。

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