The Journal of Antibiotics, Series B
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小児科領域におけるPyrrolidinomethyltetracyclineの臨床的応用
中沢 進岡 秀大石 久小川 義市岩田 正昭村山 義治伊藤 啓二
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1959 年 12 巻 2 号 p. 86-87

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抄録

Tetracycline (以下, TC) の静注療法としては, 主として点滴注入法が諸外国において, TC適応性重症感染症を対照として応用されて来たが, TC-HCl製剤を使用しても1回量が2~5mg/kg程度であれば, 20~40mlの溶液に溶解して一般静注法に従がつて投与することが可能であり, またTC適応症に使用して1回の投与量が内服時に比較して遙かに少量でその目的の達せられることの臨床的な証明がおこなわれたのは最近のことである。このTC静注療法には,高い血中濃度の得られる利点のほかに,消化管内へのTC移行の少いために, 交代菌現象の出現することがほとんど見られず, また高濃度によつて感染菌の発育が強力に阻止されるため, 内服と比較して頻回投与の必要もない特徴があげられている。
今回, 高濃度の溶解液として普通静注法に従がつて投与可能なTCの誘導体Pyrrolidinomethyl-tetracycline (Reverin ‘Hoechst’)(PRM-TCと略) を使用して基礎的ならびに臨床的な検討をおこない, 一連の成果を得ることができたので, 今まで得られた概況について報告したいと思う。

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