The Journal of Antibiotics, Series B
Online ISSN : 2186-5469
Print ISSN : 0447-8991
ISSN-L : 0447-8991
産婦人科領域に於けるPyrrolidinomethy-tetracyclineの使用知見
張 南薫太田 為雄
著者情報
ジャーナル フリー

1959 年 12 巻 2 号 p. 88-90

詳細
抄録

テトラサイクリン (以下, TC) 製剤は従来, 主として経口的投与が使用されていた。非経口的に例用することは, 本剤に対する局所的耐性が悪いということから困難があつたためである。本剤を静注するには, 多量の溶剤を必要とし, 点滴静注のように比較的長い時間をかけて注入する必要があつたが, それにも拘わらず, 時に注入局所の静脈刺戟や血栓形成等がみられた。また, 筋注においては局所の激しい疼痛や, 硬結, 壊死等の現象がみちれた。
Farbwerke Hoechst社において新らしく部分合成的に得られたPyrrolidinomethyl Tetracycline (PRMTC) は, これら不耐薬性現象が極めて少ないという特長をもつとされている。PRM-TCは, 高い溶解性をもち, 高濃度の溶液を静脈内に適用することが可能で, 長期にわたつて多量に静注することができる製剤であるという。
我々は本製剤を臨床的に検討し, 人体静注後の血中濃度を測定し, その治療効果を確認したので報告する。

著者関連情報
© 公益財団法人日本感染症医薬品協会
前の記事 次の記事
feedback
Top