1959 年 12 巻 2 号 p. 91-93
Tetracycline (TC) は1952年STEPHANS等によつて発見されて以来,広範囲抗生物質として広く使用されているが, 近年その吸収性を良好にする目的でつくられたメタ燐酸ソーダとの複合体および混合剤等が次々に登場している。しかし, 静注用TC製剤については, 静注である点, また注入個所の静脈刺戟等の理由から, 経口投与の不可能な場合にのみその使用が限局されている傾向がある。最近ヘキスト社で静注用Pyrrolidinomethyl-TCがつくられ, 日本抗生物質学術協議会を通じて検討を依頼されたので,吾々は本剤の血中濃度を測定すると共に, 産婦人科領域における各種感染症の予防ならびに治療に使用したので, その成績を報告する。