The Journal of Antibiotics, Series B
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Fradiomycin (Neomycin) に関する研究 第2報
経口投与に関する研究第2篇 連続経口投与の影響
竹内 志郎
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1959 年 12 巻 3 号 p. 162-169

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抄録

私は前篇において, 家兎およびマウスを使用し, Fradiomycin (Neomycin)(NM) の経口投与による生体内移行について検索し, 血中, 尿中ならびに諸臓器への移行を確認し, その消長の一端を知り得た。本篇においては長期にわたるNMの連続経口投与実験について述べる。
NMを長期にわたつて連続経口投与した実験の報告はまだないが, 注射によつてはSPENCER等4) がマウスを使用して, 毎日60, 30および15mg/kgを30日間皮下注射し, 高濃度群では90%の生存率を, 低濃度では100%の生存率を示したとし, STEENKEN15) およびHOBBY16) 等は, モルモットを使用し, 毎日16.5mgのNMを48日間, 次いで20日間の休止をおき, 更に, 毎日33mgを49日間筋注し, 著明な体重減少をみとめたと報じた。CARR等17) は, 6例の人に, 12時間毎に0.25~1.09のNMを4~7週間注射し, 一過性の腎障碍を気付いたのみであるが, 4例に4~7週後に聴力低下を突然来たしたと報じた。
今回は, 家兎およびマウスを使用し, 20~30日間NMを連続経口投与し, 発育に及ぼす影響ならびに肝臓および腎臓の病理組織学的検索を試みたので, 報告する。

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