1959 年 12 巻 3 号 p. 158-161
私は, 前篇において, Fradiomycin (Neomycin)(NMと略) の耳鼻咽喉科領域疾患への応用を試み, 認むべき成績を得た。本篇にこおいては, 経口技与によるNMの生体内の消長について述べる。
経口投与によるNMの生体内移行については, まだ組織だつた実験の報告はなく, 単にSQUIBB9) が犬に, POTH10) が犬および人に経口投与し, その血中濃度を検した報告があるに過ぎない。今回私は, 家兎およびマウスを使用して, その臓器内分布ならびに血中濃度および尿中排泄量を測定したので報告する。