The Journal of Antibiotics, Series B
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12 巻, 3 号
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  • 金沢 裕
    1959 年 12 巻 3 号 p. 149-153
    発行日: 1959/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Sensitivity disk (感性ディスク) を用いる細菌の化学療法剤感受性測定法は, 手技が比較的簡単なので, 数種の薬剤について検査する必要の多い今日では, 一般臨床検査として広くおこなわれるようになつた。
    私はさきに10) 11) 12) 13), ディスクまたはTabletを使用する寒天平板拡散法の感性判定結果に影響を及ぼす諸種の条件, すなわち寒天培地の組成培地の厚さ, 培地のpH, 培養前放置時間, 放置温度, 培地中薬剤濃度分布, 薬剤の拡散性の差異, 培養中の薬剤の安定性, 培養時間による発育阻止濃度の相違などについて検討した。さらに13), これらの条件を適当に規定して, 寒天平板拡散法の長所である測定値の連続性を利用して, Penicillin (以下PCと略), Dihydrostreptomycin (SM), Chloramphenicol (CP), Chlortetracycline (CTC), Oxytetracycline (OTC), Tetracycline (TC), Erythromycin (EM), Colistin (CLS), Sumsoxazole (SIX), Sulfisomidine (SIM) に対する感受性の定量的測定法について報告した。
    このたびは, その後にあらわれ現在我が国で一般に用いられている化学療法剤Oleandomycin (OM), Leucomycin (LM), Kanamycin (KM), Sulfamethizole (SMT), Sulfamethoxy pyridazine (SMP) のディスク法による感受性測定法について実験したので報告する。
  • 耳鼻咽喉科領域疾患に対するFradiomycin (Neomycin) の使用経験
    竹内 志郎
    1959 年 12 巻 3 号 p. 154-157
    発行日: 1959/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1949年, WAKSMANおよびLECHEvALIER1) は土壌菌Streptomyces fradiaeに属する1菌株から抗菌性物質を分離し, Neomycinと命名した。これは始めStreptomyces fradiaeの培養液から広くグラム陽性菌, 陰性菌および抗酸性菌の発育を阻止する有効物質を, Streptomycinと同様の方法で抽出したものでNeomycinA, BおよびCの成分からなる混合物 (Neomycin complex) であるが, このうち, Neomycin Bを90%以上含有する物質が最も有効なものとされ, 実用に供された。本邦においては, それぞれ別個に梅沢2), 相磯3) および緒方4) がStreptomyces fradiaeから抗菌性物質を分離し, それぞれFradiomycin, FlavomycinおよびDextromycinと命名したが, これらは皆Neomycinと同一系統の抗生物質に属することが判明した。本邦においては, 梅沢2) の発見がWAKSMAN等1) よりも早いところから, Fradiomycinの名称が採用されている。
    Fradiomycin (NMと略) の硫酸塩は白色, 吸湿性の粉末で, 融点205~215℃, 比施光度 (Complex) [α] 25D=+50.0°, 水に可溶で, ク戸ロホルム, ベンゾール, メタノール, エタノール, エーテル, 酷酸エチル等の有機溶媒に対し頗る難溶である (数mcg/ml程度) 。
    力価は硫酸塩粉末で507~581mcg/9である。安定性は, 硫酸塩粉末では100℃6時間の加熱によつて力価の低下をみとめない。水溶液ではpH3.0以上, N・NaOH溶液の間では, 100℃1時間の加熱に対して安定, 24℃ に保存して3週間安定であり, 従がつて, 極めて安定度の高い抗生物質といい得る。
    毒性は, マウス (18~20g) に対して, LD50は, 静脈注射36土15mg (力価) /kg, 皮下注射254土10mg (力価) /kg, 腹腔内注射328±13mg (力価) /kgとされ, 経口投与はSPENCR4) 等によれば, LD50は2,880mg/mouseとされている。人間に使用して (筋注, 内服), 聴神経および腎への毒性があげられ, WAISBREN & SPINK5) は聴力障害または聾の出現を報告している。
    抗菌作用は, グラム陽性菌, 陰性菌および抗酸性菌にも作用し, 抗菌スペクトラムは広く, 桿菌類に対する作用は注目さるべきものであるが, 肺炎球菌, 溶血連鎖球菌に対しては他の抗生物質より発育阻止作用はやや劣つている。
    NMは既に外用薬として広く使用され, 注射, 内服薬としても基礎的, 臨床的実験がすすめられている。私は, NMの耳鼻咽喉科領域疾患への応用を試みると共に, 基礎的実験として, その経口投与に関して, 家兎およびマウスを使用し, 諸臓器中含有量の消長, 連続経口投与による発育ならびに諸臓器への影響を検察し, 更に, 孵化鶏卵卵白内負荷による鶏胎仔の発育および諸臓器への影響を検索したが, 本篇においては, 耳鼻咽喉科領域疾患への使用成績について報告する。
    本実験に先立ち, NMの抗菌性を確めるため, 次のように抗菌性試験を実施した。
  • 第1篇生体内移行
    竹内 志郎
    1959 年 12 巻 3 号 p. 158-161
    発行日: 1959/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    私は, 前篇において, Fradiomycin (Neomycin)(NMと略) の耳鼻咽喉科領域疾患への応用を試み, 認むべき成績を得た。本篇にこおいては, 経口技与によるNMの生体内の消長について述べる。
    経口投与によるNMの生体内移行については, まだ組織だつた実験の報告はなく, 単にSQUIBB9) が犬に, POTH10) が犬および人に経口投与し, その血中濃度を検した報告があるに過ぎない。今回私は, 家兎およびマウスを使用して, その臓器内分布ならびに血中濃度および尿中排泄量を測定したので報告する。
  • 経口投与に関する研究第2篇 連続経口投与の影響
    竹内 志郎
    1959 年 12 巻 3 号 p. 162-169
    発行日: 1959/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    私は前篇において, 家兎およびマウスを使用し, Fradiomycin (Neomycin)(NM) の経口投与による生体内移行について検索し, 血中, 尿中ならびに諸臓器への移行を確認し, その消長の一端を知り得た。本篇においては長期にわたるNMの連続経口投与実験について述べる。
    NMを長期にわたつて連続経口投与した実験の報告はまだないが, 注射によつてはSPENCER等4) がマウスを使用して, 毎日60, 30および15mg/kgを30日間皮下注射し, 高濃度群では90%の生存率を, 低濃度では100%の生存率を示したとし, STEENKEN15) およびHOBBY16) 等は, モルモットを使用し, 毎日16.5mgのNMを48日間, 次いで20日間の休止をおき, 更に, 毎日33mgを49日間筋注し, 著明な体重減少をみとめたと報じた。CARR等17) は, 6例の人に, 12時間毎に0.25~1.09のNMを4~7週間注射し, 一過性の腎障碍を気付いたのみであるが, 4例に4~7週後に聴力低下を突然来たしたと報じた。
    今回は, 家兎およびマウスを使用し, 20~30日間NMを連続経口投与し, 発育に及ぼす影響ならびに肝臓および腎臓の病理組織学的検索を試みたので, 報告する。
  • 1959 年 12 巻 3 号 p. 169-169,180
    発行日: 1959/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 矢野 成敏
    1959 年 12 巻 3 号 p. 170-173
    発行日: 1959/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    抗生物質の出現は感染症の治療に非常な効果をあげて来ているが, 尿路感染症においては依然として治療の困難さが伴ない, 慢性化の傾向が強い。殊に, 腎孟腎炎などは臨床上, 高血圧症, 尿毒症, 妊娠中毒症などと密接な原因的関連をもつ重要視すべき症患であつて, 剖検例においてもかなり高率に見出され, しかも死亡の重要な原因となつているものが少くないにもかかわらず, この剖検で見出される比率は抗生物質出現後もあまり改善されていない。従がつて, 尿路感染症は, そのとり扱いに当つて, より確実な診断が必要であり, 更に適切な治療を要するものであると考えられる。現今, 確実な診断のために従来のように病原菌を染色培養で見出すだけでなく, 尿中の菌数を測定することが必要であるといわれるようになつた。これは, 診断のためばかりでなく, 治療の成果を精確に知りえて治療に当つての使用薬剤の適否を決める上にも極めて重要な役割をなしている。
    私は, 当院入院ならびに外来患者について, カテーテル採尿をおこない, 従来の病原菌の塗抹染色, 培養検査ばかりでなく, 培養による菌数の測定をおこない, 同時に病原菌の抗生物質に対する感受性を測定し, 診断治療をおこなつたので, その成績を報告する。
  • 乳幼児室小児における常在性病原ブドウ球菌の抗生物質耐性とファージ型の推移について
    舟橋 と志子
    1959 年 12 巻 3 号 p. 174-177
    発行日: 1959/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    私は, さきにブドウ球菌感染症において, 原因菌と, 患者の鼻咽腔, 直腸に常在する病原ブドウ球菌が, その抗生物質耐性と, ファージ型において, 同じ結果を示すものが多いことを報告した1) 。
    今回は, 国立東京第1病院乳幼児室入院中の小児における常在性病原ブドウ球菌 (ブ菌と略) について, その抗生物質耐性とファージ型の推移とを観察し, 興味ある結果を得たので報告する。
  • 石山 俊次, 石山 功
    1959 年 12 巻 3 号 p. 178-180
    発行日: 1959/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 細谷 省吾, 中沢 昭三, 市の沢 昭光, 福島 正夫
    1959 年 12 巻 3 号 p. 181
    発行日: 1959/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    抗生物質療法の最大の難点は, 病原微生物の耐性の増大である。Trichomycin1) に対する真菌または原虫の抵抗性という問題は, これを実用化までもち来たした私共当事者の特に大きな関心事である。
    伊藤・宮村等2) は, 乳児の糞便から分離したCandida albicans4株とC.albicans Yu1200株の計5株を用いて, Trichomycin含有培地に50代継代培養し, 抵抗性は上昇し難く, 初めの7~8倍にすぎないことを報告した。細谷・中沢3) は, Trichomonas vaginalisは, Trichomycin含有Fブイヨン (浜田) 4) に30代継代培養しても, 抵抗性は全く増大しないことを発表し, 真柄等5) もTrichomonasの抵抗性獲得は, Trichomycin含有培地の継代培養によつても, 臨床上でもまだみとめられていないことを報告した。
    今回は, 皮膚白癬症の原因菌であるTrchophyton asteroides (田辺株), T.interdigitale (高橋株) およびT.rubrum (小堀・池永分離株) のTrichomycin抵抗性上昇について観察したので報告する。
  • 添田 百枝, 大村 京子, 上月 清逸
    1959 年 12 巻 3 号 p. 182-183
    発行日: 1959/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    最近ようやく抗トリコモナス剤の研究も盛んになり, 現在臨床的に用いられている主な抗トリコモナス剤について, 真柄等1) は試験管作用を検査して, トリコマイシン (2,400u/mg) は0.002~0.005mg/ml, または (3,000u/mg) 0.0007mg/ml, クロルテトラサイクリンは0.12~0.25mg/ml, テトラサイクリンは0.5~1.0mg/ml, オキシテトラサイクリンは3.3~6.6mg/ml, カルバルゾーンは2.5~5.0mg/ml, アミニトロゾール (2-アセチルアミノー5-ニトロチアゾール) に0.005mg/mlでトリコモナスの発育を阻止することを報告している。テトラサイクリン系抗生物質の臨床的効果については, 篠塚2), 長尾3), 遠藤4), 鈴木5), 藤生6), 青河等7) が報告し, アミニトロゾールについては, 勝又等8), 青河9), 中村等10), 内田等11), 渡辺等2), 真柄等1) の報告がある。
    私共は, トリコマイシン13) よりも毒性が低い抗真菌・抗トリコモナス性の抗生物質Eurotin4) について研究しているので, Eurotinと内服によつて膣トリコモナスだけに効力があるというアミニトロゾールとを比較し興味のある成績を得たので報告する。
  • 添田 百枝, 若林 淳子, 上月 清逸
    1959 年 12 巻 3 号 p. 184-185
    発行日: 1959/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Penicillinaseは, Penicillin含有製剤の検定において, Penicillinの破壊に用いられるが, Penicillin allergyの患者に対する応用も報告されている。
    1946年, 細谷・三橋・野村・添田等1) は, Penicillinの製造過程において雑菌として発育し, Penicillinaseを生産する大桿菌No.218, No.282, No.318株を分離した。これら3株は, 添田によつて12年間保存されたが, 同じ菌株と思われるので, No.318株についてここに記載する。
  • 1959年2月14日 大阪市道修町田辺製薬講堂
    1959 年 12 巻 3 号 p. 186-196
    発行日: 1959/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 1959年2月28日 博多市帝国ホテル7階ホール
    1959 年 12 巻 3 号 p. 197-205
    発行日: 1959/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 1959 年 12 巻 3 号 p. 221-229
    発行日: 1959/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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