1959 年 12 巻 6 号 p. 401-404
Penicillinの発見以来, 化学療法の進歩は目覚しく, 各種抗生物質の投与による細菌感染症の治療効果は驚異的な成績を収めている。上気道ならびに肺感染症に対してもまたすばらしい効果があげられているが, 慢性に経過するものまたは再発を繰返えすものなど治療に困難を感じるものも少くない。
私は上気道ならびに肺感染症について, 喀痰中に出現する菌種および化学療法実施中の喀痰の菌の推移と化学療法との関係について考察をおこなつたので, その成績を報告する。