The Journal of Antibiotics, Series B
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集団細菌性赤痢に対するグルコサミン添加テトラサイクリンの使用経験
坂東 玲芳
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1960 年 13 巻 3 号 p. 112-114

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抄録

サルファ剤に始まる細菌性赤痢に対する化学療法は, SM, CP, TC等の抗生物質の発見とともにその様相を一変したが, 最近各所に抗生物質に対する耐性菌による流行がみられるに至つて, 更に有効な抗生物質の発現が待望されるようになつて来た。そのうち, TC系抗生物質にあつては, メタ燐酸塩の添加およびTC燐酸塩複合体によつて1~3) またはクエン酸塩の添加4) によつてTCの血中有効濃度を高めることができるようになつたが, 最近, グルコサミンを添加5~6) することによつて, より高い血中濃度が得られることが知られた。
われわれは, 最近, 当地附近に発生した集団発生の細菌性赤痢に対して, ヘキサメタ燐酸ソーダ添加テトラサイクリン (TC-Vと略) と同時にグルコサミン添加テトラサイクリン (TC-Gと略) を使用し, その効果を検討する機会を得たので, ここに報告する。

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