1962 年 15 巻 5 号 p. 294-297
本論文の要旨は昭和36年11月12日第9回日本化学療法学会中日本支部総会において発表したものである。
前報のように, 地衣成分の1つPsoromic acidは, マウスの腫瘍に対して, 顕著な抗腫瘍作用を示すことが判明した。しかし, このPsoromic acidを血清と混溶した場合, その抗腫瘍作用 (CAP法・動物実験) が著るしく低下することがその後の実験で判明した (表1, 2)。これはおそらく, 本物質が血清成分と結合し, その結果, 不活性化がおこつたものと考えられた。