The Journal of Antibiotics, Series B
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15 巻, 5 号
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  • 若沢 正, 安部 政弘
    1962 年 15 巻 5 号 p. 277-281
    発行日: 1962/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    多くの抗生物質の抗菌力は, 培地の種類, 塩濃度, 金属イオンの存在等によつて影響をうける。PenicillinやStreptomycinに対する培地組成や, 塩類の影響については, 生産管理上または薬理学的研究の必要上, よく検討されている。Kanamycinの各種試料をカップ検定する場合にも, 不明の原因のために, 検定値が変動することがある。GOUREVITCH等1) は, 培地中のphosphateやchlorideの存在はE. coliに対するKanamycinの作用を弱め, 合成培地中では窒素源の存在するほうが菌はKanamycinに敏感であることを観察している。MORIKUBO等2) は人血, 人乳等はKanamycinの殺菌作用にはなんら影響を与えないが, 牛乳は殺菌作用を50%減少させ, 卵黄には特にこの作用が著明であることを報告した。卵黄中の妨害因子はphosphoproteinであり, Kanamycinはこの物質にイオン交換的に吸着されるものと考えた。同氏等3) はまた, 兎の脳がE. coliに対するKanamycinの静菌作用を低下させることを報告している。抗生物質の力価に及ぼす金属イオンの影響については, WEINBERG4, 5) が詳細に報告している。COHEN等6) は, Bacitracinについて, 培地組成と抗菌力の関係について興味ある事実を述べている。
    著者等はKanamycinのカップ検定法に及ぼす各種金属塩の影響をペーパーディスク法で検討し, 検定値に及ぼすステンレスカップの誤差要因を推定した。
  • プソローム酸の効果について
    中沢 昭三, 小松 信彦, 浜田 雅, 山本 郁夫, 藤川 福二郎, 平井 邦夫
    1962 年 15 巻 5 号 p. 282-289
    発行日: 1962/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    本論文の要旨は, 昭和35年5月東大伝染病研究所における伝研・予研合同集談会, 昭和35年7月北大におおる第8回日本化学療法学会総会, 同11月大阪における第8回日本化学療法学会中日本支部総会ならびに昭和36年3月東京における第40回日仏生物学会例会, 6月京都における第9回日本化学療法学会総会, 7月北大における第14回日本薬学大会, 12月京都における第39回日本抗生物質学術協議会関西支部会においてそれぞれ続報として発表した。
  • α, β-コラトール酸の効果について
    中沢 昭三, 小松 信彦, 山本 郁夫, 藤川 福二郎, 平井 邦夫
    1962 年 15 巻 5 号 p. 290-293
    発行日: 1962/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    本論文の要旨は昭和36年11月名古屋における第9回日本化学療法学会中日本支部総会において発表した。
    前報においてわれわれは, 地衣類の1種バンダイノキノリからプソローム酸という地衣成分を抽出し, その動物腫瘍に対する著明な抗腫瘍作用をみとめることができたが, さらにこの近縁地衣成分をスクリーニングした結果, 化学的に同様な芳香族地衣成分であるデプシドーンに属するコラトール酸がプソローム酸に匹敵する抗腫瘍作用を示すことをみつけることがでぎた。このコラトール酸は, 地衣の1種トコブシゴケから抽出され, α-, β-の異性体があるが, この両者についてプソローム酸におけると同様の研究をおこない, 2, 3の知見が得られたのでここに報告する。
  • 1962 年 15 巻 5 号 p. 293-293,315
    発行日: 1962/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 人血清による影響
    緒方 幸雄, 中沢 昭三, 山本 郁夫, 藤川 福二郎, 平井 邦夫
    1962 年 15 巻 5 号 p. 294-297
    発行日: 1962/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    本論文の要旨は昭和36年11月12日第9回日本化学療法学会中日本支部総会において発表したものである。
    前報のように, 地衣成分の1つPsoromic acidは, マウスの腫瘍に対して, 顕著な抗腫瘍作用を示すことが判明した。しかし, このPsoromic acidを血清と混溶した場合, その抗腫瘍作用 (CAP法・動物実験) が著るしく低下することがその後の実験で判明した (表1, 2)。これはおそらく, 本物質が血清成分と結合し, その結果, 不活性化がおこつたものと考えられた。
  • 相川 邦彦, 原田 政邦, 高尾 雄三, 花田 英男
    1962 年 15 巻 5 号 p. 298-299
    発行日: 1962/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    赤痢治療剤として従来, Chloramphenicol (CP), Tetracycline (TC), Streptomycin (SM) 等の抗生剤が使用されて来たが, 最近それら抗生剤の耐性菌が急激に増加し, 耐性菌赤痢患者の治療が重大な課題となつてきた。
    我々は, それら抗生剤耐性赤痢患者に対して, Sigmamycin (1カプセル (250mg) 中, Tetracycline・HCl 167mg (力価), Triacetyloleandomycin 83mg (力価) およびGlucosamine・HCl 167mg含有) を使用して, 治療効果を検討したのでここに報告する。
  • 加藤 康道, 斎藤 玲, 中山 一朗, 千葉 享, 富沢 磨須美, 芝木 秀俊
    1962 年 15 巻 5 号 p. 300-302
    発行日: 1962/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Erythromycin (EM) のPropionyl esterであるEM-propionate (EMPと略) は, BaseにくらべるとpHの変動による影響 (破壊) をうけにくいため, 経口的に投与した場合には, Baseよりもすぐれれ吸収性をしめし, 高い血中濃度を持続する1, 2)。しかし, このものも酸に対して全く安定であるとはいえず, ことにSuspensionの形で投与する場合には, 第1にその苦味のつよいこと, 第2にCapsuleとして投与する場合よりも一そう酸によつて影響をうけやすく, このために吸収能率がさらにわるくなるなどの欠点のため, 満足すべき結果がえられなかつた3)。
    最近, EMPのaikyl sulfateであるPropionyl erythromycin lauryl sulfate (PELSと略) がつくられたが, このものは全く水にとけないために, 苦味がなく, また酸によつて破壊されないので経口的によく吸収され, ことにSuspensionとして投与するのに都合がよいといわれる3)。
    以下, このものについて2, 3の実験をおこなつたので報告する。
  • 嶋崎 匡, 大河原 章, 三浦 祐晶, 小野塚 乞
    1962 年 15 巻 5 号 p. 303-308
    発行日: 1962/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    ペニシリンの登場に始まる各種抗生物質の広汎な使用は, 他の領域と同様に, 皮膚科領域においても化膿性疾患の治療を容易にした。しかしその反面, これら抗生物質に対する耐性菌の出現が臨床的に重大な問題となつているのは, 周知のとおりである。(Methylphenyl-isoxazolyl penicillin (Staphcillin V, 以下MPI-PC) と略記) は, Phenoxyethyl penicillinおよびDimethoxyphenyl penicillinにつづいて合成された経口的ペニシリンで, 耐性ブドウ球菌に対しても有効なものとして注目されている。
    我々は, 本剤について基礎的ならびに臨床的に検討を加えたので, その成績を報告する。
  • 1962年7月7日神戸医科大学第1講堂
    1962 年 15 巻 5 号 p. 309-314
    発行日: 1962/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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