The Journal of Antibiotics, Series B
Online ISSN : 2186-5469
Print ISSN : 0447-8991
ISSN-L : 0447-8991
各種化学療法剤と人血清ガンマ・グロブリンとの併用増加効果に関する研究
第2報 マウスでSalmonella gaertneriを用いた実験
須山 忠和小黒 義五郎土居 卓治
著者情報
ジャーナル フリー

1964 年 17 巻 1 号 p. 15-19

詳細
抄録

1957年, FISHER1), KNOUF2) 等を始めとして, WAISBREN3), MANNING et al.4), FISHER等5), 上田等6), 佐古7), 大山, 堀田等8, 9) によつて, ガンマ・グロブリンと抗生物質, 特にクロランフェニコールとの併用が著るしい相乗治療効果のあることが報告されて以来, 感染症に対する併用治療が試みられるようになつた。我々も前報10) において, 肺炎球菌I型を用い, マウス剛実験的菌血症に対してガンマ・グロブリンとクロランフェニコールとの併用以外に, カナマイシン, テトラサイクリンおよびオキシテトラサイクリンもまた, ガンマ・グロブリンとの併用が強い相乗治療効果を示すことをみ出した。しかし, このことから他の細菌感染症に対してもこれら薬剤とガンマ・グロブリンとの併用が同様な治療効果を挙げ得ると結論するのは早計である。ここで, 原因菌の種類によつて併用の組合わせが最善の治療効果を挙げ得ることが考えられる。本報では, 前報実験で用いた肺炎球菌と菌血症成立の機転を異にするSalmonella gaertneriを用いて, マウスに対する菌血症について治療実験したところを報告する。

著者関連情報
© 公益財団法人日本感染症医薬品協会
前の記事 次の記事
feedback
Top