The Journal of Antibiotics, Series B
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17 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 近藤 信一, 瀬崎 正次, 志村 勝
    1964 年 17 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 1964/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    放線菌によつて生産される水溶性塩基性抗生物質は, 弱酸性のカチオン交換性樹脂によつて吸着精製され, 水によく溶け, メタノール等の低級アルコールに溶解するのみで, 他の有機溶媒にはほとんど溶解せず, 抗酸性菌を含むグラム陽性菌および陰性菌を広範囲に阻止する特性をもつ塩基性の物質である。種々の放線菌は, 第1表に示すように, 数多くの水溶性塩基性抗生物質を生産し, Streptomycin, Kanamycin, Fradiomycin, Viomycin, Paromomycin等の有用な抗生物質が発見されている。しかし, これらの水溶性塩基性抗生物質は, 一般に完全に結晶として分離することは容易ではなく, また化学的鑑別も困難な物質群である。これらのスクリーニングをおこなうさいには, 濾紙クロマトグラフィーや毒性試験等がしばしば用いられるが, 著者は先にこれらの水溶性塩基性抗生物質を第1表のように, 旋光性を主として大別し, 分類すると, これらのスクリーニングに有用であることを報告した1).
  • 金沢 裕, 倉又 利夫
    1964 年 17 巻 1 号 p. 7-11
    発行日: 1964/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    耐性ブドウ球菌に抗菌力をもつFusidic acid 1, 2, 3) の結晶Na塩 (Fucidin) に関する臨床検査としての体液中濃度測定法ならびにディスクによる感受性測定法について検討したので報告する。
  • 藤田 慎一, 荒田 次郎
    1964 年 17 巻 1 号 p. 12-14
    発行日: 1964/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    葡萄球菌感染症, なかでも耐性葡菌によるそれは, 近来注目を浴びている疾患の1つである。従来, 葡菌感染症は, 組みしやすいとして, ともすれば末端の座に追いやられる傾向にあり, さらに相次ぐ強力な抗生物質の出現によつて, 壊滅的打撃を受けるであろうと推測されたが, 豊かな順応力にものを言わせて出現した耐性葡菌は, 単に膿皮症に止まらず, 血流に入り, 強い治療抵抗性を示す心内膜炎, 脳膜炎, 産褥熱, 骨髄炎, 肺炎等重篤な疾病を招来することも, さして稀なものではなくなつて来ようとしている。
    特に病院従事者における高率の耐性葡菌検出率, 院内葡菌感染症患者について調べてみると, 病巣および鼻前庭か'ら採取した葡菌ファージタイプが92%まで一致したとする報告, Penicillin使用前の葡菌性敗血症の死亡は, 80%以上と高率を示していたものが, 同薬剤の使用により, 一挙に25%と1/3に低下したにもかかわらず, その後次第に増加傾向を示し, 50%を上回つたとする報告とも併わせ考えれば, 溶連菌症に対応する葡菌症なる考え方が生まれ, 伝染病に準じて取り扱かおうとする気運のあるのも, 当然の帰結として納得できる。
    それだけに, 在来, 抗生物質の適正なる使用, 健康保菌者の管理とともに, 常により有効な新らしい抗生物質の出現が待たれるゆえんである。
    1961年, 梅沢浜夫等によつて, 土壌中の放線菌から得られた新抗生物質ミカマイシンは, 基礎, 臨床両面に渡る種々の研究により, その作用機序, 臨床効果その他の面で既に貴重なデータが得られ, 抗生物質に耐性の葡菌その他グラム陽性菌に有効であるとして, 臨床諸家の注目を浴びるところとなつているが, この度我々も本剤軟膏の提供を受け, 治験データを得たので, それに関連する2, 3のデータとともに, 以下に報告することとする。
  • 第2報 マウスでSalmonella gaertneriを用いた実験
    須山 忠和, 小黒 義五郎, 土居 卓治
    1964 年 17 巻 1 号 p. 15-19
    発行日: 1964/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1957年, FISHER1), KNOUF2) 等を始めとして, WAISBREN3), MANNING et al.4), FISHER等5), 上田等6), 佐古7), 大山, 堀田等8, 9) によつて, ガンマ・グロブリンと抗生物質, 特にクロランフェニコールとの併用が著るしい相乗治療効果のあることが報告されて以来, 感染症に対する併用治療が試みられるようになつた。我々も前報10) において, 肺炎球菌I型を用い, マウス剛実験的菌血症に対してガンマ・グロブリンとクロランフェニコールとの併用以外に, カナマイシン, テトラサイクリンおよびオキシテトラサイクリンもまた, ガンマ・グロブリンとの併用が強い相乗治療効果を示すことをみ出した。しかし, このことから他の細菌感染症に対してもこれら薬剤とガンマ・グロブリンとの併用が同様な治療効果を挙げ得ると結論するのは早計である。ここで, 原因菌の種類によつて併用の組合わせが最善の治療効果を挙げ得ることが考えられる。本報では, 前報実験で用いた肺炎球菌と菌血症成立の機転を異にするSalmonella gaertneriを用いて, マウスに対する菌血症について治療実験したところを報告する。
  • 金沢 裕, 寺井 元一, 丸山 勇, 高橋 吉郎, 倉又 利夫
    1964 年 17 巻 1 号 p. 20-23
    発行日: 1964/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    ペニシリン(PC)の母核6-Aminopenicillanic acidから合成された新合成PCであるPhenoxypropyl PC (PP-PC) ならびにAminobenzyl PC(AB-PC)の臨床例用成績については,肺球菌性肺炎,腸チフス,黄疽出血性レプトスピラ症を含めて一部報告したが,今回は, 亜急性細菌性心内膜炎ならびに顎部放線菌症に対してのこれら薬剤の治療効果についても経験を重ねることができたので報告する。
  • 1963年9月21日大阪市東区道修町藤沢薬品株式会社7階ホール
    1964 年 17 巻 1 号 p. 24-28
    発行日: 1964/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 1964 年 17 巻 1 号 p. 29-35
    発行日: 1964/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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